【化粧品のPR成功事例】阪本高生堂のマーケティング戦略をひも解く

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投稿者:TAKEHIRO MIYAGAWA

こんにちは。Webエディターの宮川です。

 

インバウンド消費の波に乗り、業績好調な日本の化粧品業界。テレビのコマーシャルに広告費をつぎ込んだ大量消費時代はとうに終わり、時代はスマホを中心としたデジタル広告へシフトしました。電通の海外本社である電通イージス・ネットワークが2017年に発表した広告費成長予測によると、2018年はスマホの流通台数増加によってデジタル広告費がテレビ広告費を上回るという見方を強めました。後述しますが、日本の化粧品の広告費もまさにその勢いに沿ったデータが出ています。各メーカー広報が狙うPR戦略、販売戦略とはどのようなものなのでしょうか。

 

今回は、CNAPS編集部の中でメンズビューティーアイテムに強い宮川が、注目のヘアスタイリング製品を扱う阪本高生堂というメーカーのPR戦略と事例をご紹介します。コンテンツの魅力とマーケティング戦略について分析していきます。

 

弊社のコンテンツマーケティング支援でお客様の課題に提供したソリューション実績をご紹介

 

化粧品の広告はインターネットが主流に

飲食品や日用品、アパレル、自動車、電化製品といった個人消費につながる商品・サービスは、広告宣伝の効果が売上に直結するため、PR戦略が大きなカギとなっています。その中でも、化粧品業界の広告宣伝費率が高く、マーケティング分野においても注目されています。

 

電通の「日本の広告費 2007~2017年の業種別広告費推移」を見ると、マスコミ四媒体における化粧品・トイレタリーの広告費は、「情報・通信」「食品」に次ぐ3位。2017年は2億7,291万円という数字でした。

2007~2017年の業種別広告費推移|2017年日本の広告費

 

2007~2017年の業種別広告費推移|2017年日本の広告費

 

化粧品の広告費が伸びている媒体はどこでしょうか?電通の「媒体広告費の伸び率」では、マスコミ四媒体は減少し続けていますが、インターネット広告費(媒体費+制作費)は4年連続で二桁成長の勢い。1兆5,094億円(前年比115.2%)の成長率です。

 

このデータからもわかるとおり、化粧品の広告出稿先がテレビや雑誌からスマホといったモバイルを主軸とした運用型広告、動画広告にシフトしているということです。

媒体広告費の伸び率|2017年日本の広告費

媒体広告費の伸び率|2017年日本の広告費

 

拡大するSNSユーザーに向けたPR戦略

化粧品に限らず、さまざまな業界で注目されているのがSNSを活用したマーケティング戦略です。流行に敏感な10~20代のユーザーが利用するSNSは、商品の魅力をダイレクトに伝え、共感を呼ぶことができるため、認知度アップ、コーポレートサイト・ECサイトへの流入が期待できます。

 

メインの販売チャネルがECサイトのみという中小規模の化粧品メーカーは、テレビや雑誌といった媒体に広告を出すほどの予算がなく、資生堂や花王といったナショナルブランドが持つ拡散力、影響力にはどうしてもかないませんでした。そこでSNSを有効活用した商品PRが増えてきたのです。

 

Facebook、Twitter、Instagram、You Tubeなどで公式ページを立ち上げ、プロダクトのイメージ写真、キャンペーン告知、ノウハウ動画といったコンテンツを精力的に発信。SNSを通じたクチコミで売上をアップさせた成功例が次々に生まれ、化粧品のPR戦略においてSNSの影響力が高いことを知らしめました。

 

ポーラ文化研究所が15~74歳の女性1800人を対象に調査した「化粧品情報収集とSNSの関連」レポートによると、SNSは生活に欠かせない情報ツールとして第3位(全体の約36%)という回答に。女性の70%がSNSを利用し、15~19歳の年齢層では化粧品の購入情報源のトップとなっています。おしゃれを楽しむデジタルネイティブ世代が、コスメやヘアケアといった化粧品の最新情報をSNSから収集し、購入の参考に活用している点はマーケティングにおいて無視できない事実といえるでしょう。

化粧品情報収集とSNSの関連|ポーラ文化研究所

化粧品情報収集とSNSの関連|ポーラ文化研究所

 

「#コスメ」で検索すると300万を超える写真が投稿されているInstagram

「#コスメ」で検索すると300万を超える写真が投稿されているInstagram。

 

男性化粧品市場はどう変化している?

私は、20代前半から30代前半まで10年ほどメンズのヘアカタログ雑誌の編集をやっていました。女性と比べるとミニマムな規模の男性化粧品市場ですが、時代の流行、ファッションリーダーの台頭、また世代別による美容への関心の高まりといったさまざまな要因があり、男性化粧品の市場規模は年々拡大していることを、雑誌の仕事を通じて肌で感じていました。

 

富士経済が2018年3~5月にリサーチをした「国内化粧品市場調査 第2弾 」のメンズコスメティックス項目では、メンズスカルプケア商品を筆頭にしたケア意識の高まりが後押しをして市場が拡大しているといいます。2018年のメンズコスメティックス市場の売上見込みを2012年から7年連続増加の1175億円(前年比1.9%増)と発表しています。

国内化粧品市場調査|富士経済

 

 

グローバル市場でも勢いがあるメンズコスメ
国内市場では、男性特有の悩みである「薄毛、抜け毛」を予防するスカルプケア・ヘアケア商品と、働く男性の美意識の高まりをポイントにしたスキンケア商品が活性化を促す2軸であるようです。少し外に目を向けてグローバル市場でのメンズコスメはどうでしょうか。

男性用化粧品ブランド「ギャツビー」を軸にしたグローバル展開を加速させているのがマンダムです。同社の連結売上高に対する海外売上比率は全体の約4割を占めています。マンダムの海外進出は1958年のフィリピンから始まったことからもわかるように、現在もアジア諸国での男性ヘアスタイリング市場においては圧倒的なシェアと認知度を誇っています。

タイのバンコク中心街にあるドラッグストアでは、タイ語のPOPとともにギャツビーのスタイリング剤が陳列され、おしゃれに敏感なバンコクの男性に細かいニュアンスとデザイン性で作る最新のヘアスタイルを浸透させつつあります。

 

バーバーブームが牽引するグリース人気

 話を国内市場に戻しましょう。男性化粧品の中で、みだしなみに欠かせないのがヘアスタイリング剤です。さまざまな種類がありますが、とくにここ数年、ドラッグストアやコンビニなどの品揃えで増えているのが「グリース」です。主成分が油であるワックスと違い、グリースの主成分は水分。髪を固定する適度なホールド力と、セクシーなツヤ感が欲しいときにグリースはベストなスタイリング剤といえます。

 

グリース人気を裏付ける要素として、若い世代に支持される「バーバーブーム」があります。いわゆる理容室のことですが、商店街にあるような従来の床屋ではなくスタイリッシュで都会的なヘアスタイルを提案するバーバーがここ数年、大学生からビジネスマンまで幅広い男性に人気があります。

 

東京では主に代官山、渋谷、表参道、銀座というヘアサロン激戦区のエリアに多く展開していますが、古きよきアメリカを思わせるヴィンテージ空間が心地よい店舗からまるで高級テーラーと錯覚するようなシックでジェントルな内装の店舗まで、コンセプトはさまざま。そこで提案されるヘアスタイルは一過性のモテるヘアスタイルではなく「自分らしさ」「清潔感」「男らしさ」を重視した大人のスタイルです。もちろん、流行の最先端を走るスポットだけに「今っぽくてカッコいい髪型にアップデートしたい」という男性の悩みにスタイリストがきちんとアンサー。リピーターが後を絶たないようです。

表参道のヘアサロンSURAJではグリースを使ったウェット感のあるスタイルを提案。グリースがつくる髪型は清潔感がある印象を与えるため、ビジネスマンから大学生まで幅広い年代層に支持されています。

 

プロが絶賛する阪本高生堂の「クールグリース」

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••• 本日より COOL GREASE SPERIORE の取り扱いが始まりました✨ 有名なクールグリースのアップグレード版として新しく生まれたのが "SUPERIORE(スペリオ―レ)" です。 クラシックなイメージをそのままに、他に真似のできない知識と技術を凝縮し違いのわかる大人へ向けて作られました。 天然成分をベースに、自社工場にてほぼ手作りで生産されています。 水性ポマードの最高峰と言われるスペリオーレ、是非お試しください💇‍♂️ ••• DRESSKIN🎩 Men's grooming online store🤵🏻 http://dresskin.com ⇨プロフィールからご覧ください👀 ••• #coolgrease #coolgreasesuperior #dresskin #cosmetics #menshair #mensgrooming #pomade #gentleman #barber #barbershop #クールグリース #クールグリーススペリオーレ #最高峰 #ドレスキン#メンズコスメ #メンズグルーミング #コスメ #美容 #美容男子 #オシャレ #ファッション #バーバー #ヘアケア #スキンケア #ワックス #ポマード #バーバースタイル #クラシックスタイル #メンズヘアスタイル

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バーバーやヘアサロンのスタイリストが提案するクラシックで無骨なベリーショートスタイル、清潔感のあるウェット系ビジネスヘアのセットに使われているのがグリースです。プロたちが愛用するグリースのなかでも阪本高生堂の「クールグリース」の信頼性は抜群です。

 

文京区にある株式会社阪本高生堂は、バーバー・サロン向け化粧品を専門とする化粧品製造と卸の会社です。大々的な広告を出さず、自社でECサイトをひっそりと運営しているため、美容業界で働く人やドラッグストアなどの小売販売店以外にはほとんど知られていない企業でした。約5年ほど前から始まったバーバーブームはグリースを使ったクラシックで清潔感のあるヘアスタイルが主流のため、グリースを求めるユーザーのニーズが増加し、認知度が飛躍的に伸びました。そのPR戦略のカギとなったのが実際に商品を扱うヘアスタイリストや理容師たちでした。

 

オウンドメディアの連載コラムやPR記事での露出、各サロン&バーバーのSNSアカウントでの発信、ヘアカタログ雑誌での特集、動画コンテンツによるノウハウ講座といったものにすべて登場し、商品をPRしてくれる広告塔となったのです。こうしたマルチチャネルによるプロモーションが功を奏し、ユーザー人気につながったといえます。

 

PR戦略①Webメディアのコラムで認知度アップ

WebマガジンFOR Mの連載コラムに登場するクールグリース

阪本高生堂「クールグリースXX」――「ワックスでもジェルでもない、グリースを選ぶ理由」 | For M

Webマガジン「FOR M」の連載コラムにて阪本高生堂のクールグリースが紹介されています。記事ではパーソナルスタイリストの山崎剛さんが、目指す髪型をつくるためにワックスやジェルではなくグリースを選ぶ理由をプロダクトの特徴とともに解説しています。ターゲットとなるユーザー層が身近に感じたり、憧れるキーパーソンが商品をPRするコンテンツは、雑誌の記事などでよくみかけます。

PR戦略②Instagram投稿で拡散

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新たにグリース入荷しました‼︎ 創業1912年の老舗‼︎日本が世界に誇るグリース界のど定番『クールグリース』が、小粋な大人に向けて新たに提案するハイクオリティーブランド‼︎『クールグリーススペリオーレ』細部にこだわり少量生産の為、当店でも少量の在庫となっております。お買い求めはお早めにm(_ _)m 仙台で髪を切るならフライメンズクラブへ #仙台美容室メンズ #仙台美容室 #メンズヘア#メンズパーマ#メンズカット#メンズ美容室#男性専門#かっこいい髪型 #サンモール一番町#一番町#ビジネスマンヘア#ビジネスマン#サラリーマン#大人の男性#大人カジュアル#大人の#クールグリース #クールグリーススペリオールレ#グリース

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全国のサロン、バーバーが店頭で販売するスタイリング剤の入荷情報やスタイリストが実際に使用したスタイリング剤の写真を投稿することで、おしゃれ感度の高い世代にダイレクトにアピールする効果があります。実際にお店に通う顧客だけでなく、地元の美容室を探す人、おしゃれなヘアスタイリング剤を探す人、髪型のセットに悩む人など幅広いユーザー層へ拡散できるのがSNSを利用するメリットです。投稿した写真をより多くの人に検索してもらうための目印となる「ハッシュタグ」も重要で、ハッシュタグをつけた関連キーワードをたくさん入れて投稿することが効果的です。

PR戦略③セットの仕方をプロがレクチャーする動画で発信

『COOL GREASE STYLING BOOK』 男が惚れる美容室のヘアスタイリングBOOK

阪本高生堂が自社で制作した動画コンテンツ『COOL GREASE STYLING BOOK』では、10~20代の男性に人気がある原宿のヘアサロンとコラボし、クールグリースを使ったヘアスタイル提案とスタイリング方法を紹介しています。プロのスタイリストが実際に商品を愛用しているからこそ発言に説得力が生まれ、商品への信頼性が高まります。ヘアサロンへ通うユーザーだけでなく、全国の理容師や美容師といった同業の人が自身のスタイル提案の参考にするため視聴するといった側面も持っています。

 

まとめ

SNSから情報を得る10~20代の世代には共感を生むSNS投稿や動画コンテンツを、30~40代の個を強く求める世代には「自分らしさ」をしっかり提案してくれるプロのアドバイスやブランドを認知させるコンテンツを発信するという、ユーザーのニーズに合わせたPRの細分化がクールグリースというプロダクトをヒットさせた要因なのではないでしょうか。

 

消費者が多様化する市場の中でいかに生き残っていくかは、ニーズにあわせたブランドの発信とSNSマーケティングを軸にしたコンテンツの拡充により、認知度と好感度を高める戦略が必要となってきます。

 

「SNSやWebコンテンツで自社の製品をPRしたい」「新しいニーズにマッチした化粧品の販路を拡大したい」という広報の方や営業担当の方は、ブランディングやコンテンツマーケティングを駆使した販売戦略を検討してみてはいかがでしょうか?

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TAKEHIRO MIYAGAWA

Webエディター

編プロ、出版社、フリーペーパー制作会社などで雑誌編集を経験して、Webエディターに。仕事でもプライベートでも、いろんな人を巻き込んだ企画を考えるのが大好き。イベント好きだけど自分が参加するとかなりの確率で雨が降るので、まわりからあまり誘われないことが最近の悩み。顔出しの体験取材記事やレポートも得意分野。好きなお酒はスパークリングワインのロゼと、黒ホッピー。4kgやせときたい。

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