【徹底解説】コンテンツマーケティングとは?
~成果を出すための正しい理解と実践方法~
コンテンツマーケティングとは、ユーザーにとって価値のある情報を届けて購買行動を引き起こすマーケティングの手法です。その情報を伝える手段としてコンテンツがあり、コンテンツには文章、画像、映像、音声などさまざまな形態があります。
コンテンツマーケティングを通してユーザーに有用な情報を届けるには、どのコンテンツを使って、どのような方法で届けるのかを戦略立てて考えることが重要です。このページでは、コンテンツマーケティングの手法や手段について正しく理解し、成果を出す(=ユーザーの購買行動を引き起こす)ための実践方法をご紹介します。取り組みが成功すれば、サービスについて新規の問い合わせを獲得したり、既存顧客との関係性を向上してアップセルなどを生み出したりできるようになります。
「コンテンツ」「マーケティング」を正しく理解しましょう!
コンテンツマーケティングとは、「コンテンツ(contents)」を使った「マーケティング(marketing)」活動のこと。冒頭でご説明したように、さまざまなコンテンツを通してユーザーに有用な情報を届ける(コンテンツを読んだり、見たり、聞いたりしてもらう)ことで、最終的に問い合わせの獲得や各種サービスへの登録、資料の請求、商品の購入などを実現する一連のアクションを指します。
例えばある商品・サービスを拡販したい場合、まずはユーザーをWebサイトへ呼び込んで有益な情報を繰り返し閲覧してもらいます。そしてより詳しい情報を求めるユーザーには、メルマガやカタログ、事例集などを通して検討を促します。商品の購入やサービス利用の申し込みが実現したら、顧客のリピーター化やロイヤルカスタマー化を目指します。
「知る」→「興味を持つ」→「購入を検討する」→「購入する」→「リピートする・推薦する」といったように、ユーザーの購買行動にはいくつかのステージ(段階)があります。このステージに適したコンテンツを用意しなければ、コンテンツマーケティングは成功しません。まずはどのステージのユーザーを次のステージに進めたいのかを考え、そのユーザーにとって有益だと思われる情報を正しく提供する必要があるのです。
なお、「コンテンツ」にはさまざまな種類があります。詳しくは後述しますが、例えばサービスの利用シーンがイメージしにくいならチュートリアル動画を使う、商品開発に関する秘話を発信したいならスタッフブログを使う、主婦や高齢者をターゲットにするならチラシやDMを使う、といったように選択肢はひとつではありません。
コンテンツマーケティングがもたらすメリットとは?
広告宣伝費を抑え、「資産」を蓄積できる
リスティング広告などの施策は広告費を支払い続けないと成果を出すことができず、出稿するキーワードによってはコストが高くつく可能性があります。コンテンツマーケティングに取り組むうえでも記事や動画といったコンテンツの制作には費用が発生しますが、コンテンツをWebサイトにアップしておけば広告のように「流入がゼロになる」ということはなく、作ったものは自社の資産として蓄積されていきます。
ロイヤルティが高まり、「いい評判」が拡散される
ユーザーや顧客に役に立つ情報を提供し続けていると、ロイヤルティが高まってリピーターが増えたり、「いい会社」という評判を拡散してくれるユーザーが出てきたりします。それにより、「価格競争に巻き込まれにくい」「(単価が高くても)継続的に購入してもらいやすい」といった状況が生まれやすくなります。WebコンテンツはSNSでシェアされる可能性が高いので、自然検索からの流入だけでなくSNSからの流入増加も見込めます。
専門家・オピニオンリーダーとしての「ブランド」ができる
情報の正確性や専門性が疑わしいWebサイトも多い中、有益な情報を発信し続けることで、「このサイトをチェックしておけば大丈夫」という専門家・オピニオンリーダーのポジションが確立されます。「誠実な会社」「業界のプロがいる会社」「情報のアップデートが早い会社」といった印象が定着すれば、ブランディング効果で問い合わせなども自然に増えていくでしょう。
コンテンツマーケティングには、弊害となるデメリットも
成果が出るまでに時間がかかり、成果が見えにくい
リスティング広告などの広告施策は、出稿を開始するとすぐに効果が表れます。しかし、コンテンツマーケティングの場合は効果が確認されるまでに時間がかかります。また、成果が見えにくい点もデメリットのひとつ。「記事の公開から半年後にCVがつき始める」といったこともあるため目標設定が難しく、Web担当者や報告を受ける経営者の忍耐が問われるケースも少なくありません。
定期的かつ一定量のコンテンツ制作が欠かせない
対策キーワードなどにもよりますが、コンテンツマーケティングで成果を出すには一定量のコンテンツを定期的に更新していくことが求められます。ユーザーが繰り返しWebサイトへ訪れることも想定し、トレンドや環境の変化なども踏まえて情報を発信していかなければなりません。そのため、制作に労力がかかる点は無視できません。
「従来の」アウトバウンドマーケティングをやめるべき理由
コンテンツを利用する(読む、見る、聞く)かしないかはユーザーが判断しますが、その判断にも影響を及ぼすのが「コンテンツの届け方」です。ユーザーにコンテンツが届くまでのプロセスには、大きく「インバウンド(内向き/ユーザーに見つけてもらうスタイル)」と「アウトバウンド(外向き/ユーザーに売り込むスタイル)」の2種類があります。
自ら情報を探している状態のインバウンドでは、ユーザーは受け取った情報の良し悪しを判断する準備ができています。逆にアウトバウンドではユーザーが不意に情報を受け取ることが多く、発信された情報を整理できないこと、売り込み要素が強いこともあって戸惑いを与えてしまいがち。ユーザーに興味や関心がないと、その情報が不要なばかりか、不快感を与えてしまう可能性もあります。たとえ同じ内容の情報だとしても、届け方一つでコンテンツや発信元の企業に対する印象は大きく変わってしまうのです。
興味の有無にかかわらず、電話や訪問のセールスで嫌な思いをしたことがある人も少なくないでしょう。一方的な情報発信(営業)は、それそのものがあまり心地良いものではありませんよね。ユーザーの不快感を誘うようなアプローチは、企業やサービス、商品ブランドにとってマイナスイメージになりかねません。口コミサイトなどでのネガティブな情報につながる可能性もあるでしょう。
スマートフォンなどの端末やSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)が普及した現代では、ユーザー自身が「自分で情報を探す」という考え方が当たり前。従来の一方的なアウトバウンド(売り込み型)マーケティングは、リスクにさえなってしまうのです。コンテンツマーケティングに取り組む企業が増えている背景には、こうした事情もあると考えられます。
とはいえ、広告はコンテンツを届ける枠として機能している
従来型の「一方的なアウトバウンドマーケティング」にリスクがあることはおわかりいただけたでしょう。ここで「従来の」と書いたのは、今日ではテクノロジーの発展によってユーザーにとっても一定の価値があるアウトバウンドマーケティングを実践しやすくなったからです。
今日では、性別・年齢・住んでいる地域・所得・職業・学歴・家族構成などの社会的な属性であるデモグラフィック情報や興味・関心ごとに、情報の出し分けが可能になりました。つまり、ユーザーの興味・関心がある程度「見える」ようになり、ユーザーの属性や欲するものに対してマーケティングが可能になったので、少なくともオンラインのアウトバウンドマーケティングに関しては「見当はずれな売り込み型のマーケティング」になりづらくなっているのです。
ユーザーが欲しいと思っている情報を届けられるのであれば、アウトバウンドマーケティングは「悪」ではありません。その証拠に、アウトバウンドマーケティングの代表的な手法である広告の市場は右肩上がりで伸びています。広告はコンテンツを届ける枠として、十分機能しているのです。
「コンテンツマーケティング(インバウンドマーケティング)に取り組みたい」という企業の場合でも、話をうかがってみると「広告を活用したほうがいい」と判断できるケースがあります。大事なのはアウトバウンドマーケティングの特徴を理解し、必要に応じて活用すること。それによって、より効果的にユーザーの購買行動を引き起こすことができるかもしれません。
「マイクロモーメント」に沿ったコンテンツを届ける重要性
ユーザーが自身に必要な情報を探すときとは、どのようなシーンでしょうか。またそのとき、どのようなアクションを取るでしょうか。インターネットにつながったデバイスの種類は増えてきています。以前はPCのみでしたが、今ではスマートフォンやタブレットを持つことが当たり前になり、AI(人工知能)の進化でスマートスピーカーなどのIoTデバイスで情報を調べることも可能になってきています。
情報を調べるプラットフォームも、検索エンジンだけではありません。例えば、BtoBサービスに関する情報収集や40代・50代前後のユーザーの情報収集ではFacebookが多く使われています。女性が洋服を買おうと思ったときに使うプラットフォームとしては、Instagramが人気です。このように、ユーザーの性別や年齢、関心の対象によって利用しやすいプラットフォームが何かを知る必要があります。
Googleは、何かを欲してスマートフォンなどのデバイスを活用する瞬間を「マイクロモーメント」と名付けました。人が「知りたい」「行きたい」「したい」「買いたい」というニーズに基づいた意思が高い状態――と定義しています。マイクロモーメントが起きる背景が理解できると、適切なタイミング、適切なプラットフォーム(場所)で適切なコンテンツを提供しやすくなるでしょう。後述するペルソナやカスタマージャーニーマップも、ユーザーの特性や行動理解に役立ちます。マイクロモーメントと検索キーワードについての詳しい解説記事がありますので、こちらも参考にしてください。
コンテンツを届けるさまざまな手段を覚えておきましょう!
インバウンドやアウトバウンドなどの手法にかかわらず、コンテンツを届ける手段はたくさんあります。伝えたいことを伝えるためのコンテンツにはどのような選択肢があるのか、見ていきましょう。
Webサイト
Webサイトでのサービス紹介や会社紹介、ニュースリリース、お客様の声、導入事例、ブログ(コラム)などで構成されます。テキストや写真、図説や映像、音声などさまざまなコンテンツ要素を組み合わせることができます。
検索エンジンや広告、SNSからと、Webサイトのコンテンツにたどり着く方法(流入経路)はさまざま。広告を活用すれば詳細なターゲットにアプローチできますが、資金が必要です。タイムラインという時間順にコンテンツが表示されるSNSだと、古いSNSの投稿は成果が上がりにくいのが難点。検索エンジン経由なら、古い記事でもSEO対策ができていれば上位表示を保つことが可能です。
Webサイトのコンテンツを活用して特定のキーワードで検索結果画面の上位に表示させるコンテンツSEOは、コンテンツを資産として長く活用でき、広告宣伝費を抑えることができる手法として多くのWebサイトで取り組まれています。そのキーワードでクリックしたユーザーにとって、本当に知りたい情報があること(キーワードとコンテンツの連動性)が非常に重要です。
Eメール
ビジネスシーンではお客様への連絡手段として頻繁に利用されるEメール。それだけでなく、メルマガやステップメールなど情報発信の手段としてEメールを活用するケースもあります。顧客や見込み客との良好な関係を構築するためには、セールス目的だけではなく、ユーザーにとって有益な情報を提供するためにも活用の余地はあるでしょう。
商品やキャンペーンの情報、課題の解決につながるお役立ち情報などをメルマガで一斉配信している企業もありますが、近年ではEメールでもユーザーの属性やニーズに合わせて情報を発信する「メールマーケティング」が活発になってきています。
Eメール単体ではテキストと写真や図説などの画像を扱えますが、Eメールのみで完結させず、リンクを貼ってWebサイトへ誘導するなどの別の手段との組み合わせでさまざまなコンテンツを届けることが可能です。これからメールマーケティングを始める方は、メルマガ配信の始め方【メールマーケティング(HTMLメール活用)】の記事を参考にしてください。
SNS
FacebookやTwitter、Instagram、Youtube、Line、BIGO LIVEなどのサービスで、ソーシャル(社会的な)ネットワーキング(つながり)を提供するところから、Social Networking Service(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の略でSNSと呼ばれています。
SNS広告ではテキストだけではなく、画像や動画も扱うことが可能。各プラットフォームによって投稿できるコンテンツやユーザー属性(年齢層や利用目的など)が異なるので、自社のサービスのユーザーに最適なプラットフォームを選択してコンテンツを届けることが重要です。
ホワイトペーパー・Ebook・電子書籍
報告書や調査レポートであるホワイトペーパー、ノウハウなどを集約したEbook(PDF資料)は見込み客を獲得するためのダウンロードコンテンツとして活用されることが増えてきました。また、出版物としての書籍も電子化されています。いずれも、テキストや画像、動画、音声を取り扱うことが可能です。
インターネットを介した手段ではありますが、ホワイトペーパーやEbook・電子書籍はデバイスにダウンロードしてから消費するコンテンツなので、オフラインでも利用できる点がユーザーにとってはメリットになります。
ポッドキャスト・ラジオ・スマートスピーカー
音声がコンテンツを構成する手段で、スマートフォンのアプリが活用の主なシーン。AI(人工知能)を活用したスマートスピーカーの登場で、音声コンテンツへの注目度がますます上がってきています。ユーザーのマイクロモーメントを満足させるデバイスは、PCやスマートフォンからIoTデバイスに広がりを見せており、ポッドキャスト・ラジオ・スマートスピーカーにはチャンスが広がっています。
チラシ・リーフレット・パンフレット・DM・カタログ
イベントでの配布物や顧客との打ち合わせ時に手渡しできる会社紹介やサービス紹介資料、ダイレクトメール(DM)やチラシといった郵送物などです。Webマーケティングやデジタルマーケティングが活発になってきていますが、紙媒体が活躍するシーンがなくなったわけではありません。デジタルの手段と組み合わせて総合的に効果を高められる可能性があります。
セミナー(ウェビナー)・イベント
オフラインでは、直接対面して情報を提供する機会も重要です。セミナー(ウェビナー)やイベントでは主に人がコンテンツを発信する役目を担い、他の手段にはできない「人ならではの感情を込めた伝え方」が可能になります。オンラインであるウェビナー(Webで行うセミナー)は遠く離れた場所にいる人に向けても、人ならではのコンテンツの届け方が可能になります。
「コンテンツの種類」と「コンテンツを届ける手段」の関係性
Webサイトは「コンパウンド型」のコンテンツを目指そう
「コンパウンド型」とは、アクセス数が時間とともに増加するタイプのコンテンツです。その逆は「ディケイ型」といいます。
Webページを増やしてアクセスを拡大することも大事ですが、更新頻度にこだわるのではなく、長期にわたってユーザーに価値を感じてもらえる良質なコンテンツ(エバーグリーンコンテンツ)を作りましょう。そのためには、検索キーワードのニーズに合致したコンテンツの発信、情報を探しやすくするためのSEO対策(検索上位表示)、コンテンツの正確性・専門性確保などが欠かせません。
“息が長い”コンパウンド型のコンテンツを増やすことが、Webの情報資産を高め、継続的な成果を生み出します。実現すれば広告に頼る必要もなくなり、時間が経つにつれてますます費用対効果が高まるところがコンパウンド型コンテンツの最大のメリットです。
マーケティングプロセスを3ステージに分けて考える
前の章で触れた「どのステージのユーザーを次のステージに進めたいのかを考える」について具体的にご説明します。購入をゴールと仮定すると、マーケティングプロセスは大きく分けて3つのステージに分けられます。それぞれの段階から次のステージに進んでもらえるようなコンテンツを用意することが重要です。
【その1】認知ステージ
サービスや商品の名前、魅力、主な特徴、使い方などについて知ってもらう段階です。知ってもらうきっかけは検索エンジンでの検索結果や広告、SNSなどさまざまな形が考えられます。認知段階でどれだけユーザーにとってメリットがあるのか、抱えている課題にフィットするのかを具体的に伝えられるかが、次の検討ステージに導けるかどうかの鍵となります。
【その2】検討ステージ
導入してもよさそうなサービスや商品として検討段階に入ったフェーズです。類似のサービスや商品が他社にもあれば当然比較されるので、自社サービスや商品の強み・メリットをわかりやすく伝える必要があります。他社との比較表などもよく使われる見せ方です。また、お客様の声などの事例コンテンツがあると、導入時に得られるメリットを具体的に想像させやすくなります。なお、お客様の声などの事例は検討段階にあるユーザーにとって重要な判断材料になるため、このステージにおける「キラーコンテンツ」といえます。
【その3】商談・購入ステージ
比較を通して他社に勝っていたり必要だと判断されたりすれば、導入・購入されます。サービスの導入や商品の購入後もさらなるサービスの利用や商品の購入につながるようなコンテンツを発信し、顧客満足を継続できるようにしていきます。「売りっぱなし」で顧客をないがしろにしていると、リピートやポジティブな情報の拡散にはつながっていきません。
【実践編】コンテンツマーケティングの着手から投稿まで
以下では、コンテンツマーケティングに着手してから自社メディアに記事を投稿するまでに必要なプロセスや使うツールについてご説明します。コンテンツマーケティングは、コンテンツを作るまでの「準備期間(戦略のフェーズ)」が非常に重要です。戦略が間違っているといくら労力を割いても結果につながらないので、「とりあえずやる」のではなくしっかり戦略を考えましょう。
プロセス1:ゴールを設計する
コンテンツマーケティングは、ゴールの設定が成功と失敗を分ける大きなポイントとなります。Webサイトへの流入を増やしたいのか、問い合わせ件数を増やしたいのか、成約を増やしたいのかによって最適なアプローチは異なるので注意が必要です。事業責任者でじっくり話し合い、最終的なゴール(KGI/重要目標達成指標)とそれを達成するために鍵となるマイルストーン(KPI/重要業績評価指標)を決めましょう。
プロセス2:ペルソナを設定する
ペルソナとは、商品やサービスにおける「理想の顧客像」を具体化した情報のこと。年齢や性別だけでなく、年収、役職、勤務場所、家族構成、趣味、考え方、行動特性など細かいところまでプロフィールを設定します。
例えば、化粧品であればターゲットは女性、年齢は40代がメイン、子育てが忙しくあまりメイクに時間が割けない、自分に使えるお金があるので化粧品には投資をいとわない、深夜にスマホで商品を探す――といったイメージができるでしょう。ペルソナを設定すれば見なし顧客の購買行動プロセスが明確になるため、コンテンツでピンポイントなニーズに応えやすくなります。
プロセス3:カスタマージャーニーを作成する
ペルソナの思考、感情、行動などを時系列で可視化したプロセスを、カスタマージャーニーといいます。認知から最終的な購買に至るまでの行動や心理状態の変化を「旅」にたとえてモデル化したもので、カスタマージャーニーを作ることは設定したペルソナがたどる道筋を正しく把握し、前の章で触れたようなマーケティングプロセスにおけるステージに適したコンテンツを用意することにつながります。企業(発信する側)目線ではなく顧客(情報を受け取る側)目線でコンテンツマーケティングを行うために必要な作業です。
プロセス4:効率的に管理するCMSを用意する
コンテンツマーケティングをWebサイトで行う場合は、コンテンツの投稿や管理がしやすいCMS(Contents Management System)を導入しましょう。通常、Webサイトを作ったり新しいページを追加したりする場合は、HTMLやCSS、JavaScriptなどの専門的な知識が必要です。Webデザイナーやコーダーなどがその役割を担っていますが、マーケティング活動にはスピード感が必要です。マーケティング活動における工程をできるだけ短縮し、効率的にWebサイトが運用するなら、CMSが最適です。
代表的なCMSには、オープンソース(無料)で利用できるWordPressなどがあります。WordPressなどのCMSでできたWebサイトを運用するときの注意点についてこちらの記事にまとめているので参考にしてください。
プロセス5:キーワード対策を行う
ペルソナがどのようなキーワードで検索しているのかを調べます。検索ニーズがないキーワードに対してたくさんコンテンツを作っても母数が少ないので流入は増えず、逆に検索ニーズが膨大なキーワードを選んでも競合が多いので、こちらも流入は増えにくいです。キーワードプランナーや検索窓のサジェスト、関連する検索キーワードで狙うキーワードニーズを選定しましょう。
キーワードプランナー
任意のキーワードが月間でどれくらい検索されているかのニーズと、類似の検索キーワードの候補を出してくれる、です。キーワードの検索ニーズと、そのキーワードを検索するユーザーの背景を想像して、狙うべきキーワードの候補を絞り込んでいきます。
また、任意のURLから狙っていると思われるキーワードも出してくれるので、競合サイトのキーワード分析にも役立ちますし、想像していなかった思いがけないキーワードを知るきっかけにもなります。
検索窓のサジェスト
メインのキーワードを検索窓に打ち込むと、そのメインキーワードと一緒によく検索されているキーワードの組み合わせ候補の一覧が表示されます。このサジェストでも、ニーズがあるキーワードの候補を知ることができます。
関連する検索キーワード
検索結果の一覧の下部に表示されるキーワードの組み合わせです。他の関連する検索キーワードには、サジェストとは違いメインキーワードを絡めていない、違う検索キーワードも出してくれるのが特徴です。
マイクロモーメントを活用したキーワード選定
キーワードプランナーとサジェスト、関連する検索キーワードを「知りたい」「行きたい」「したい」「買いたい」の4つのマイクロモーメントに分類することで、作るべきコンテンツの背景が想像でき、訴求ポイントを突いたコンテンツ作りのヒントが得られます。マイクロモーメントを活用したコンテンツ制作については、こちらの記事をご覧ください。
プロセス6:記事のテーマと構成を考える
キーワードが決まったら、記事のテーマ(タイトル)と構成(起承転結の流れ)を考えます。タイトルはユーザーがクリックしたくなるような内容(なぜその記事のURLをクリックしたのか、何が知りたいのか)を意識しましょう。コンテンツマーケティングにおいて、キーワードとコンテンツの連動性は非常に重要です。タイトルと本文の内容にずれがないようにコンテンツを作りましょう。
プロセス7:記事を作成して更新する
タイトルおよび構成案に沿って、記事をライティングしていきます。導入文では結果ファーストでどんな内容が書かれているかを完結にまとめ、最後の部分でユーザーに違和感のない形で商品やサービスに触れましょう。日本語の誤字脱字はないか、事実が正しく記載されているか、著作権や商標権を侵害していないかなどに気をつけながら執筆してください。
記事を書いたら、自分以外の誰かにチェックしてもらいましょう。記事に画像や図解などを盛り込むと、ユーザーの理解が高まります。
【実践編】コンテンツの公開後にやるべきこと
SNSで発信する
作成した記事の価値を高めるには、多くのユーザーに読んでもらう必要があります。そこで重要になるのが、FacebookやTwitter、InstagramなどのSNSへ投稿すること。有益な情報なら、拡散してもらえる可能性も高いでしょう。
ニュースリリースを打つ
ニュースリリースには、自社の情報を発信する広報の役割があります。ここで扱う情報は企業としての公式な情報発信なので、どのようなコンテンツを扱うかは注意する必要がありますが、広報活動の一環として扱えるコンテンツにはニュースリリースが活用できます。
広告を打つ
広告出稿料金を支払うことによってユーザーに情報を提供できるコンテンツ枠が広告です。前述したとおりアウトバウンドマーケティングの代表的手法である広告は、ユーザーからは嫌がられやすいという特徴があります。一方のインバウンドマーケティング手法にもデメリットはあるため、どちらも一長一短といえるでしょう。
状況によってコンテンツの届け方を組み合わせることが、コンテンツマーケティングで成果を得る上で重要になってきます。手法にこだわり過ぎて、成果を損なわないように注意してください。
広告の種類には、リスティング広告、リマーケティング広告、SNS広告、ネイティブ広告、動画広告、アフィリエイト広告、RSS広告、DSP広告、マス広告、SP広告、メール広告などがあります。販促したい商品やペルソナによって使い分けましょう。
記事を継続的に改善する
Webコンテンツを準備してすぐに検索結果で上位表示され、多くの問い合わせを獲得できる――そういったケースは稀です。通常は、コンスタントにSEO対策やコンテンツの質向上を粘り強く繰り返すことではじめて成果が得られます。そのためには、投稿した記事の改善が欠かせません。
以下では、改善に役立つ代表的なツールをご紹介します。
Google Analytics
です。どのページがどのくらい、どこから流入して、どのような経路を辿って成果が出たのかなどのデータが計測されています。どのページを改善するべきかなどの判断材料になります。
ヒートマップツール
対象のページでどこが注目されているのかがヒートマップ形式で視覚化されます。温度の低いところはユーザーにとって分かりづらかったり、興味が薄かったり、コンテンツの質が悪かったりなどの要因が考えられるので、改善箇所が明確になります。ユーザーのスクロールやクリックしたページ遷移のプロセスを動画で記録することができるツールもあります。
【記事編】文章(ライティング)に求められる品質とは
Webページの検索順位を上げるためには、ただWebページを量産するだけでは不十分です。しかし、SEOでの検索上位表示はコンテンツマーケティングのプロセスのひとつにすぎません。最終的な目的は上位表示ではなく、ビジネス成果を得ること。ユーザーにとって価値がある判断され、それがビジネス成果につながるような記事をライティングするには、その業界や分野においての専門性とマーケティングの知識や実務経験が不可欠です。
ライティングの需要が増えてライターがより活躍する時代になったものの、それぞれの専門性やビジネス・マーケティングを正しく理解し、文章でそれを理路整然と説明できる(あるいはエモーショナルに訴求できる)ライターはそう多くありません。社内で対応できない場合は外部へ発注することも考えられますが、文字単価が安いからといって安易にクラウドソーシングを利用するのは考えもの。その前に、信頼できるライティング依頼・代行先を選ぶポイントについて押さえておきましょう。
また、求める品質が明確になっていないと、できあがったライティング(文章)にがっかりすることがあります。ライティング代行業者に求める要件を、事前に明確にしておきましょう。ライティングの品質の指標について詳しく解説した記事も参考にしてください。
【動画編】動画活用は当たり前の時代に
スマートフォンの普及とインターネット環境の向上、YouTubeなどのプラットフォームの充実などにより、マーケティングにおける動画の活用価値はますます高まっています。また、インターネット上のあふれかえる情報は、すでに人間の消費能力では消化しきれていない状況です。より多くの情報をわかりやすく、効率的に伝える手段として動画は最適なコンテンツといえます。
動画を取り巻くテクノロジーにも注目を
また、これまでの動画ではできなかった映像との関わり方が生まれてきています。通常、動画は一方的に流れる映像をただ見るだけでしたが、テクノロジーの進化で動画内を操作することが可能になってきました。例えば360度カメラで自由に視点を変えて疑似体験できるバーチャルリアリティ(VR)や、動画の中にユーザーがクリックやタップなどのアクションをすることができる要素を用意し、能動的な動画コンテンツへの参加ができるインタラクティブ動画などがあります。
今までとは違った珍しい見せ方が注目を浴びる要因にもなるので、新しいものを取り入れる柔軟な姿勢も重要です。
マーケティングオートメーションを活用して効率を上げる
コンテンツマーケティングは、マーケティング活動の一部です。マーケティングオートメーション(MA)の登場で、手間がかかったマーケティング活動が効率的にこなせるようになりました。コンテンツマーケティングの成果の効率を上げるために、ツールの導入も検討しましょう。
マーケティングオートメーションはあくまでマーケティング活動を自動化するツールです。そもそもマーケティング活動をあまりしていないという場合は、マーケティングオートメーションを使う意味がありません。
マーケティング活動をするためにはコンテンツが不可欠です。マーケティングの目的と、目的のための戦略と戦術を明確にし、コンテンツをつくる必要があります。そして、理想論だけではなく実際に行動に起こしてようやくマーケティング活動が始まり、効率的なマーケティング活動のためにマーケティングオートメーションが活用されるのです。「MAが流行っているらしい」といった安易な発想でツールを導入しないようにご注意ください。
この順番を誤ると、マーケティングオートメーションを使った成果は何も出ないまま、ツールの使用料だけを支払うことになります。最終的にツールを解約せざるを得なくなってしまうということが、マーケティングオートメーション導入のよくある失敗例だということを忘れないようにしましょう。
コンテンツマーケティングだけで最終的な目標を達成できるのか
目標を達成するために、コンテンツマーケティングだけでKGIまでのプロセスが完結するのかを確認しましょう。コンテンツマーケティングで獲得した見込み客を営業につないで商談をする場合などは、後工程の部門と連携を取る必要があるケースもあります。
マーケティング活動の中核、デマンドセンター
セールス部門と協力して見込み客を獲得し、見込み度合いを高める組織のことです。マーケティング活動から商談化できる案件を増やしてセールス部門に引き渡していくことが役目になります。
マーケティング活動はコンテンツがなければ成立しません。コンテンツマーケティングは重要な要素であることは間違いないですが、マーケティング戦略を理解した上でコンテンツマーケティングを実施し、商談化のために必要な組織を用意しましょう。
良質な商談に責任を持つマーケティングプランナーの活用
マーケティングプランナーはマーケティングの戦略立案やマーケティング活動を実施する役割で、デマンドセンターの司令官になります。見込み客を獲得するための施策、見込み客のデータを活用して見込み度合いを上げるにはどういったコンテンツを用意し、届け、態度変容を促すのかを具体的に考え実行していきます。
制作したコンテンツをどう活かすのかではなく、目的のためにどのようなコンテンツが必要なのかを考えることができます。コンテンツマーケティングだけでなく、マーケティング活動全般に欠かせない存在です。
セールス部門に引き渡すべきかを判断するインサイドセールス
コンテンツマーケティングで獲得した見込み客の中でも、セールス部門に引き渡して意味がある見込み客ではない場合があります。例えば、情報収集段階でまだ検討が始まっていない、顧客のニーズと自社のサービスで提供できる価値にズレがあるなど、まだ商談するには至らない段階です。
そのような場合は、見込み客の課題をヒアリングして、その課題を解決できるために自社のサービスや商品がどう役に立つのかを説明したり、違う解決策を提案したりなどしてユーザーごとに最適なコンテンツを提供し、見込み客の問題解決につながりそうであればセールス部門に引き渡す――という効率的な営業活動をサポートするインサイドセールスの存在が一般的になってきました。その商談への後押しができるコンテンツも必要になってくるのです。
成果が出るコンテンツマーケティング活動を支援します
コンテンツマーケティングで何をしていけばいいか、想像がついたでしょうか?
弊社ではコンテンツマーケティングで必要なノウハウや人員を用意し、貴社の課題を解決するための専門チームを編成することができます。
貴社の悩みから課題を洗い出し、解決するための具体的な施策内容やプランニングなどのご相談にお応えいたしますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
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