ワールドカップ開催に合わせて、
選手名鑑のコンテンツマーケティングを考える

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投稿者:宇佐美 裕之

こんにちは、コンテンツディレクターの宇佐美です。世界で一番深い湖として知られるバイカル湖を有するロシアで、いよいよサッカーのワールドカップが開幕します。数兆円もの経済効果があるといわれるメガスポーツイベントなだけあって、大から小まで実にさまざまなコンテンツマーケティングが現在進行形で行われていますね。

そんなタイミングということもあり、今回は世界各国で行われているさまざまなコンテンツマーケティング事例に触れたい……ところなのですが、実際はいろいろと難しいので、元スポーツ系週刊誌の編集者という立場から「ワールドカップ選手名鑑のコンテンツマーケティング」に絞ってお話をしていきたいと思います。

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選手名鑑のコンテンツマーケティングとは

コンテンツマーケティングとは、ユーザーにとって価値のあるコンテンツの制作を通して見込み顧客のニーズを顕在化させたり、何らかの商品を購入してもらったり、ファンを育てたりすることを目指す、一連のマーケティング手法です。選手名鑑は試合の視聴や観戦を楽しむための予備知識を得るツールであり、コンテンツマーケティング的には「ファンを育てる」という部分が最大のミッションかと思います。

「ファンを育てる」ために、各選手名鑑が最も力を入れているコンテンツが選手・監督などの「寸評」です。寸評はごく短い批評・紹介文のこと。ライターや編集者は、このわずか数十文字程度の枠に情熱を注ぎ込んだり頭を悩ませたりしています。

寸評は大胆かつ無謀な試みが面白い

面白い情報を1文字でも多く入れたいライター・編集者と、自分のハードルを越えてくる情報を要求する読者の“負けられない戦い”。コンセプトや構成はスポーツジャンルや出版社などによってさまざまですが、「選手名鑑のコンテンツマーケティングはつまるところ、寸評に集約されるのではないか」と思えるくらい、実はかなり奥が深いものなのです。

「(寸評が楽しいのは)その文字数の少なさである。選手を数個の単語で表現してしまおうという、その大胆かつ無謀な試みが面白い。限られた単語数の中で的確な説明が求められる状況にあって、寸評の筆者は稀に説明文的な語句を離れ、読者の想像力を働かせるべく、時に詩的に、時に叙情的に言葉を綴っているのである。小の言葉で大の効果を生む。これは、俳句や川柳に近い世界観である」(一部要約)

寸評をこのように解説したのは、平床大輔さんというスポーツライターの方。「大胆かつ無謀な試みが面白い」「小の言葉で大の効果を生む」という部分に、妙に納得したことを覚えています。

心くすぐられる選手名鑑の寸評事例(footballistaの場合)

「昔の選手名鑑には選手の住所や家族構成が載っていた」「野球選手はベンツに乗りがち」「誤植で同じ選手の顔写真が複数登場していることがある」といった“選手名鑑あるある”を話し出すと止まらなくなってしまうので、それはひとまず置いておきます。以下では海外サッカー専門誌「footballista(フットボリスタ)」の選手名鑑からコンテンツマーケティング的にくすぐられる寸評をいくつかご紹介します。

その1:フョードル・クドリャショフ(ロシア)

クドリャショフは、開催国ロシアのディフェンダーです。ワールドカップはおそらく今回が「最初で最後」という遅咲きのキャリア、そして自宅での“厳しい環境”を知ってしまえば、彼に感情移入をするなというほうが難しいでしょう。できればミスをしてほしくない選手です。

その2:ウラジーミル・グラナト(ロシア)

クドリャショフとともにプレーするかもしれないロシアのグラナト(所属クラブは一緒)は、7人兄弟という部分が深読みのポイント。社交的な性格はプラスに作用しそうなものですが、「災いして」しまうところを見ると、実は末っ子なのかもしれません。

その3:ハキム・ジエク(モロッコ)

左サイドのスタメンに並ぶアタッカーは、選手としても危険ですがプライベートでもかつて“危険な存在”だったことがあるようです。「少年時代の荒れた過去」が大舞台でどのようなプレーになって表れるのか、気になって仕方ありません。親御さんもさぞかし嬉しいはず。

その4:マーク・ミリガン(オーストラリア)

Jリーグ好きにはなじみのある選手ですが、特徴的なのは「毎年アシストを決めてきた高速ロングスロー」。一般的にスローインはキックのように高速にはなりませんし、そうそうアシストにつながるものではありません。つまり、極めて珍しい能力を持っている選手ということです。

その5:デヤン・ロブレン(クロアチア)

言葉選びが光る「劇場型CB(センターバック)」。知らない人は疑問に思うかもしれませんが、知っている人は強く首肯されることでしょう。「怖くて使えない」選手を37試合も出しているという事実に、リスク管理能力に疑問符が付くクロアチアというチームの危うい魅力があります。

その6:ハンネス・ハルドールソン(アイスランド)

チームとしても注目を集めているアイスランドのゴールキーパーは、映画監督の一面も持っているそうです。もし彼がミスをしてしまったら、初出場となるワールドカップのピッチの上でドキュメンタリー映画の構成を考えていたのか……と思わざるを得ません。

まとめ

「それ、だれが知りたい?」と思うような情報にドキドキ・ワクワクし、コアなファンへの階段を駆け上がる層が一定数いるのはどの世界も同じ。そこに情熱を注ぎ込むのは、「ムダ」ではなく「戦略」です。自分たちの企業やメディアが欲しいファンとはどんな人たちなのか。その人たちが心から欲しがる情報とはどんなものなのか。日々考えながら自社のビジネスをコンテンツで豊かにしていきましょう。そして、選手名鑑を見ながら4年に一度のワールドカップを楽しんでみてください。

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宇佐美 裕之

コンテンツディレクター

前職はスポーツ系週刊誌の編集者。現在は週2日休めること、DAZNが台頭したことなどから、当時よりもスポーツ中継を満喫する日々。やるほうはからっきしなので、体力の低下が著しい。自分の仕事をママ友・パパ友にうまく説明できず、コンテンツディレクターとは何者かを自問自答する日々。

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